2020年07月15日
皆さん「引導」という言葉はご存じですか?「引導を渡す」という言葉をどこかで耳にしたことがあると思います。スポーツやビジネスで相手と契約を切る時に使われるなど、あまり良くないイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、由来知ることで言葉のイメージが少し変わるかもしれません。
「引導を渡す」の語源は、仏道に人々を導いて入れることから来ています。仏教の葬儀の際、僧が棺の前で死者が迷うことなく悟りが開けるよう、つまり死んだことを死者に理解させる法語を唱える行為を意味していました。そこから、相手に諦めされるための最終宣告という意味を持つ言葉となったのです。
ほとんどの仏教の葬儀では、故人を称え、法語を唱える引導の儀式が行われます。引導渡しの際に「喝!」という言葉を発し、この世の未練を断ち切らせる場合が多いようです。各宗派によって具体的な内容が異なっており、引導そのものがない場合もありますのでご注意ください。
「引導」は仏教用語であり、語源も葬儀で行われる儀式からきていることが分かりました。なかなか実際に使う機会のない言葉ではありますが、意味や言葉自体を間違って覚えているといざという時に恥をかいてしまいます。日本人として正しく理解しておきたい言葉ですので、すでに知っているという人も改めて確認しておくようにしましょう。