【準備するもの】
まずは、迎え火と送り火を焚くために必要なものから見ていきましょう。使うものは焙烙(ほうろく)と呼ばれる素焼きのお皿と、おがらと呼ばれる植物の麻の茎の部分で皮をはいだものです。おがらを使う理由には、麻は古くから魔除けの効果がある植物とされており、迎え火や送り火を焚く際に使うことで、清浄な空間を作り出し悪い霊を呼び寄せないといわれています。
【迎え火のやり方】
それでは、迎え火のやり方についてお話します。お盆初日の夕方に、迎え火を焚きます。やる場所はご自宅の玄関先や庭先などです。なお、お墓の前でやる場合もあり、その際はお墓参りと一緒に行います。
まず、焙烙におがらを入れて、その後に火をつけるやり方です。おがらは燃え広がりやすいため、火の扱いにはくれぐれも注意してください。燃やした時に出る煙がご先祖様の霊にとっての道しるべとなります。すべてを燃やし終わり、火が完全に消えれば迎え火は終わりです。おがらは完全に火が消えたのを確認してから、燃えるごみとして処分しましょう。
なお、初盆の場合は迎え火を焚いている間にその火を白提灯にも移しますが、非常に危ないので、迎え火を燃やすと同時に灯すという方法もあります。
【送り火のやり方】
送り火はお盆の最終日の夕方に焚くもので、場所はやはり迎え火の場合と同じく、夕方にご自宅の玄関先や庭先などで行います。
送り火はお盆の最終日である送り盆にあたりますが、午前中は普通に精霊棚にお供えをして過ごすのが一般的です。そして、夕方になってから迎え火を焚いた場所で送り火を焚きます。送り火の場合も、焙烙におがらを入れて火をつけます。迎え火をお墓参りの時にやった場合は、送り火についても同じようにお墓参りをしてその際に行います。
なお、地域によっては送り火を灯篭流しや大規模な伝統行事という形で行うところも多いです。特に灯篭流しは、文字通り灯篭の中に火を灯して川に流すというやり方で、普通の送り火のほかにも厄除けの意味もあります。