まずはお供え物を置くための机や棚を用意しましょう。精霊棚(しょうりょうだな)または盆棚ともいわれます。飾り方は、地域や家庭の習慣により異なります。宗派や地域による風習が異なっても、仏壇に明かりを灯し、線香をあげてお花や供え物をするのは、供養の基本でもあります。五供(ごく)と呼ばれる、基本的なお供え物を一つ一つ見ていきましょう。
香(こう)…香(こう)とは、お線香のこと。場を清め、亡くなった人の食べ物になるといわれています。ご先祖様に香りを感じていただくために、よい香りのものを選ぶとよいでしょう。線香に火を付ける際は、口から息を吹きかけて消さず、手か火消し用のうちわで消すようにしましょう。
花…墓前の花は、故人の魂の依り代といわれます。お花屋さんや、スーパーでも「仏花」と書かれたお花を手に入れることができますが、故人の好きだった花や庭の花でもお供え物になります。お花は仏壇の左右に供えるため、2束準備するとよいでしょう。お花が枯れてしまわないよう、水替えを忘れずに。
灯燭(とうしょく)…灯燭(とうしょく)とは、ろうそくなどで灯した明かりのことです。明かりを灯すことで暗い闇を照らし、私たちの心の中の煩悩を取り除くことができるといわれています。線香をつける目的もあるので、お参りの際にはろうそくを用意します。線香と同様に、ろうそくも明かりを消す際に息をかけて消さずに、手か火消し用のうちわを使って消しましょう。
浄水…新鮮な水を備えることが供養となります。水道水で問題ないので、毎日新鮮な水をお供えしましょう。
飲食(おんじき)…毎日家族が食べているものと同じものをお供えする仏前と、故人の命日や法事のときにお供えする霊供膳(りょうぐぜん)があります。故人が生前好きだったものをお供えしてもよいでしょう。