2020年09月18日
仏教に限らず様々な宗教で死後の世界があると考えられていますが、死後の世界にはいわゆる「天国」と「地獄」があるとされています。生前の行いによって天国に行くか地獄に行くかが決まると言うのは多くの宗教で共通している部分です。自分の死後に安楽の世界に導かれるか、苦しみを繰り返す世界へ落ちるかと考えれば、誰もが安楽で苦しみの無い世界に行きたいと願います。私たちが行う葬儀や法要は故人が安楽の世界へ召されることを祈って行う仏事です。
さて、よく耳にする言葉ですが「極楽浄土」は、浄土教の教えに基づいています。浄土とは、仏や菩薩の住む一切の煩悩や汚れの無い清浄な場所のことをいいます。浄土は一つではなく仏の数だけ存在し、薬師如来の「浄瑠璃(じょうるり)浄土」やお釈迦様の「霊山(りょうぜん)浄土」、観音様の「補陀落(ふだらく)浄土」などがあり、一番有名なのが阿弥陀仏の住む「極楽浄土」です。浄土の逆でこの世は「穢土(えど)」と言われ、迷いや煩悩から抜けられないものたちの住む穢れた場所だと考えられています。ちなみに浄土真宗では、人は亡くなると同時に阿弥陀様に救われると考えられているため中陰の法要も成仏を祈るためのものではなく、故人が成仏し極楽浄土へ召されたことを感謝する儀式として行われています。