お盆は仏教行事のひとつですが、仏教に関わりのない人にもなじみ深い行事となっています。お盆での供養は毎年同じ方法で行いますが、葬儀の後、四十九日が過ぎてから迎えるお盆は「初盆」となり、特に熱く供養する傾向があります。今回は、初盆での供養についてご説明します。
【1】お墓参り
お盆の初日は、お墓参りをする日です。お盆は先祖がこの世へ降りてくる期間ですので、先祖をお墓へ迎えに行くのがよいでしょう。お墓参りで気を付けなければならないことは、生ものを置きっぱなしにしないことです。先祖が生前に好きだったものだから…とお供えしたとしても、カラスなどに荒らされたり腐ってしまったりすると、衛生的ではありません。お酒も同様に、お墓にかけたりせず、お供えをして、帰るときに持ち帰るようにしましょう。
【2】祭壇と飾り
お盆の期間は、先祖をお迎えするための祭壇を作り、位牌と共にだんごや季節の野菜などを備えます。また、キュウリとナスに割りばしを4本ずつ刺し、キュウリは馬、ナスは牛に見立てたものを飾る風習があります。キュウリの馬は、お盆の時期が早く迎えられるように願う気持ちが、ナスの牛には、お盆が終わった後はのんびりと帰ってもらうという気持ちが込められています。
【3】迎え火
お墓参りを終えた初日の夕方は、精進棚あるいは縁側などで、野火あるいは提灯に火をともします。これは「迎え火」といい、この世に降りてきた先祖が自宅に来るまでに道に迷わないようにという意味が込められています。
【4】供養
お盆期間の中日には、親戚で集まり飲食をしたりして、先祖の供養を行います。特に初盆の際はお坊さんを家へ呼び、お経をよんでもらうのが一般的とされています。お坊さんはその時期には非常に忙しくなりますので、初盆を迎える方は、早めにお寺のご相談されることをおすすめします。お寺へ出向いて供養を行ってもらう際は、お供物を持参していきましょう。
【5】送り火
お盆の最終日には、迎え火をともした場所で再び火をともします。これを、「送り火」と言います。送り火は迎え火と反対の意味を持ち、先祖があの世へ迷わずに帰ることができるようにという願いが込められています。地方によっては、この送り火を灯篭へ移し、川へ流す「灯篭流し」が行われるところもあります。